【かおかぼ】のブログ

気になること調べたり、日記だったり・・・そんなかんじ

日産自動車の【社内基準は守れてないが国の規制値は守れている】という言い訳がやばい理由

 

以前から、データ不正関係については、いろいろ述べてきた。どこにでもあり、なくなることはないデータの不正・捏造・改ざんは、今年も多数発生している。アカデミアでは、Ips細胞の論文不正があり、インダストリでは、三菱マテリアルの不正から、日産自動車の排ガス検査不正まで出てきた。神戸製鋼やフォルクスワーゲン(正確には不正ソフトと不正検査方法という違いはある)という類似事例が最近時に発覚したというのに、危機感なく不正が行われていた。

まぁ、人と人の集まりである企業は自分に火の粉がかからなければ、自企業内であっても関係ないと思うものなので、これらについては仕方がない。

ちなみに排ガス不正等は、あまりイメージ下落にならないのか、BMWの社長が逮捕されているが、BMW自身の売り上げ等は順調(2017年)に伸びているし、日産ノートも同様に好調である(受注数でなく販売数ではあるが)。この理由も、多くの人が、今すぐに身体に異常をきたすようなものではない=自分は関係ないと思っていることが理由かもしれない。

今回は、排ガス不正を起こした日産自動車の言い訳である、 【社内基準は守れてないが国の規制値は守れている】という言い訳がやばい理由について述べていきたいと思う。

大量生産品を製造するときに必要なこと

まず、この言葉の異常さを理解するには、一般的にどのようにして大量生産を可能にしているかを知る必要がある。

結論を端的に述べると、 【管理項目と管理値】の設定を行い、それらを厳格に守ることである。

具体的に言うと、大量生産を行うときには図面値を満たすための製造条件の【管理項目と管理値】と不良品を流さないための品質検査の【管理項目と管理値】を決める必要がある。

平たく言うと、大量生産するためには、製品を図面通りに作るための製造条件を決めて製造し、さらに製品の品質検査を行う必要があるということだ。

上記は、繰り返しになるが、製品図面に書かれた寸法等を守るために行われている。そして、製品図面通りに作れば、もちろん、その製品の性能/品質が保証されるということになる。

日産自動車の言い訳がやばい理由

上記した内容をもとに、【社内基準は守れてないが国の規制値は守れている】という言葉の意味を見ていこう。

このような事態が起こる理由として考えられるものは2つある。

 

1点目は、図面値が異常に厳しすぎて、そもそも図面通りに製造できない場合である。

製造業の世界では、図面値に公差がある。公差とはその製品の設定した最低限の機能が保証できるのは、この範囲ですよというお知らせである。

例えば、長さでいえば、10㎜と図面で指定したとき、[10㎜±1㎜] というように指示される(実際は、μm単位で行われるが、これはあくまで簡略化した例)。

この例でいえば、製品の最低限の機能の保証は9㎜~11㎜の間の寸法で作れば保証しますよ(または製品として成り立ちますよ)という意味になる。

一般的に、公差の範囲(上記では±1mmで合計2㎜のこと)が狭くなればなるほど、加工が難しくなり、作るのにお金がかかる(製造コストが増える)。

通常の企業であれば、公差が厳しい場合は、設計部門と製造部門で話し合いをして、コストを考慮して公差範囲を再決定するはずであるが、日産自動車は異なるみたいである。

つまり、1つ目が理由で排ガス不正が起こった場合、日産自動車がどのような会社であるかを想像すると、以下のような会社である。

①カタログに載る性能試験用車両は、非常にお金をかけて1品ものを製造してその車両で性能試験を行う。

②大量生産品は、採算が合う製造方法に変更して、組み立てが可能な範囲の製造条件で、上記の性能がでない製品を製造する。

③性能が出ていない製品を①のスペックで顧客に販売する。

 

さて、理由の2点目であるが、それは何かトラブルが発生して作れなくなったまま、なんの対応もせずに作り続けた場合である。

現在の製造業では、金型を使用したものであれば、金型を変更したタイミングで稼働率が落ちたり、部品や素材の仕入れ先を変更したときに、同じ製造条件を指定していても、図面指示通りに製造できなくなることがとてもよくある。このようなとき、不具合の流出を防ぐために品質検査を通常は行っている。また、これらが起こったときの対策は、生産数を上げて合格品の数をとりあえず規定数出しつつ、トラブル原因の調査を行うことが一般的であろう。

では、なぜ図面値から外れているものが平然と製品として作られ続けていたのかというと、ここでも二通り考えられる。

それはそもそも検査をしていて図面値から外れていることがわかっていて流していた場合と、検査を行わなかった場合である。

検査を行い、図面値から外れていても正常品として流しているということが日産自動車内部で起こっている場合のやばさについては、何の説明もいらないだろう(排ガス試験方法を勝手に変更する、データを書き換えるなどを行っているみたいなので、この可能性があることも捨てきれないが・・・)。

もう一つの品質検査を省略したという点についてだが、排ガス検査自体はするのだが、その性能が満たない場合、排ガス関係の部品の何かが図面通り作れていない可能性が高い。通常は、部品ごとに生産ラインで抜き取り検査を行い、そのロットの品質確認と保証を行うのだが、品質検査というものはお金はかかるが、その製品の性能向上には寄与しないという特性がある。つまり、品質検査をしても製品の性能向上(商品魅力向上)には直接つながらないのである。このため、コストダウンのために、検査をやめるということを行った可能性があると考える。ちなみにいうまでもないことだが、品質検査内容を変更してより安い方法で保証することはOK(もちろん保証できること前提)だが、検査をなくすということはありえない。

では、2点目の場合、日産自動車がどのような会社なのかというと

①カタログに載る車は大量生産可能な図面公差になっている。

②大量生産を行う際、何らかの理由で品質がばらついたとき、品質検査をしても結果を無視してトラブル対応もせずに不良品を流し続ける or コストダウンのため品質検査をせず、トラブルに気付かずに不良品を流し続ける。

③不良品を組み立てて、顧客に販売する。

となるだろう。

このように考えられることを企業のトップの一人が説明会見時に堂々と悪びれもせずに述べる日産自動車を、皆さんはどう思っているのだろうか。

 

日産ノートの売れ行きもまだ好調であるが、よく日産自動車の製品を購入する人間がいるなぁと私自身は感じている。